はじめに
医学の進化により、AGA(男性型脱毛症)は改善できる時代となりました。
その治療法はいくつかありますが、最も推奨されているのが「内服薬」「外用薬」での投薬治療です。
公益財団法人「日本皮膚科学会」が提唱する男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、特に「フィナステリド」の内服、「デュタステリド」の内服、「ミノキシジル」の外用が強く勧められており、これらの治療薬を処方してもらうために「AGAクリニック」に通う患者が増えております。
しかし、中には何らかの理由で「クリニックには通えない」という方もいるでしょう。
そこで今回は、一般のドラッグストアで市販されている「育毛剤」「発毛剤」の中から、効果が高いとされる製品をランキング形式でご紹介したいと思います。
ランキングの根拠は、「薄毛に効果の高い有効成分が入っているかどうか」です。
上記ガイドラインに記載してある「医学的根拠(エビデンス)」に沿って、順位付けします。
発毛剤・育毛剤・養毛剤の違い
まず、ランキングするにあたって「発毛剤」「育毛剤」「養毛剤」の違いを説明します。
どれも同じように見えますが、その効果や用途は大きく異なります。
発毛剤(医薬品)
発毛剤は、その名の通り「毛を生やす(発毛させる)」医薬品となります。
冒頭でお伝えした「ミノキシジル」は、日本で唯一「髪の毛を生やす成分」として厚生労働省に認可されているのですが、そのミノキシジルが入ったものがこの「発毛剤」になります。
そのため、3つの中で最も効果が高く、薄毛治療に最適だと言えるでしょう。
ちなみに医薬品は、大きく4つのカテゴリーに分類されます。
上から「要指導医薬品」「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」とあり、効き目や副作用のリスクによってレベル分けがされています。
要指導医薬品 | 一般用になって間もない治療薬。自由に手に取ることができない場所に置いてあり、薬剤師から「対面」での指導、文書での情報提供が義務付けられている。 |
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第1類医薬品 | 効果が高い反面、副作用のリスクが伴う治療薬。対面販売・通信販売で購入可能だが、薬剤師からの情報提供を受けないと購入できない。 |
第2類医薬品 | 第1類医薬品よりもリスクが低い治療薬。薬剤師または登録販売者からの情報提供は「努力義務」となっているため、説明を受けなくても購入は可能。 |
第3類医薬品 | 医薬品の中でも特にリスクが低い治療薬。その分効果も控えめだが、薬剤師または登録販売者による情報提供も必要ない。 |
ちなみに、冒頭でお伝えした「フィナステリド」「デュタステリド」は一般治療薬ではないため、ドラッグストアで購入することはできません。
一方「ミノキシジル」は「第1類医薬品」に分類されるため、薬剤師から情報提供を受けることで、店頭やネットでも購入が可能となっています。
育毛剤(医薬部外品)
続いて「育毛剤」ですが、こちらは「医薬部外品」に分類されます。
治療を目的とした医薬品に対して、医薬部外品は「予防・衛生」が目的となっており、医薬品よりも「効果」「リスク」共に低いことが特徴です。
ただ、効果が低いと言っても、薄毛に有効な成分が入っている育毛剤も多数存在し、その見極めが重要となります。
養毛剤(化粧品)
最後に「養毛剤」ですが、こちらは「化粧品」に分類されます。
化粧品とは、医薬部外品よりも更に「効果・効能」が緩和されており、養毛剤は主に「頭皮のケア」が目的となっています。
発毛剤・育毛剤に比べて効果は期待できないため、今回のランキングでは「対象外」となります。
育毛剤・発毛剤ランキング
では、ここで本題の「効果の高い育毛剤・発毛剤ランキング」を発表していきたいと思います。
冒頭でもお伝えした通り、ランキングの根拠は「薄毛に効果の高い有効成分が入っているかどうか」です。
育毛剤や発毛剤の商品パッケージを見ると、配合されている成分を確認できます。
そこには「ヒノキチオール」や「ニンジンエキス」「グリチルリチン酸」など様々な有効成分が記載されておりますが、肝心なのは「日本皮膚科学会が推奨している有効成分が入っているかどうか」です。そこに着目してください。
「日本皮膚科学会が推奨している有効成分」は下記の通りです。
推奨度A | ミノキシジル(行うよう強く勧める) |
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推奨度B | アデノシン(行うよう勧める) |
推奨度C1 | カルプロニウム塩化物(行ってもよい) |
推奨度C1 | t-フラバノン(行ってもよい) |
推奨度C1 | サイトプリンおよびペンタデカン(行ってもよい) |
推奨度C1 | ケトコナゾール(行ってもよい) |
これらの有効成分の詳しい内容は、下記の記事をご参照ください。
それでは早速「ランキング」に移りたいと思います。
1位:リアップX5プラスネオ【大正製薬】
2位:リグロEX5エナジー【ロート製薬】
3位:スカルプD メディカルミノキ5【アンファー】
【筆者コメント】
上位3つは「ミノキシジル5%」配合の発毛剤がランクインしました。
なぜ、どの商品も「ミノキシジルが5%」なのかと言うと、国内の市販薬では「5%」か「1%」だと決められているからです。そのため、5%を超える濃度が配合されている商品はなく、他社と差別化を図るには「他の有効成分」を配合したり、「価格」を安くしたり、「使用感」をよくしたりするしかないのです。ちなみに「容量が60ml」となっている理由は、60mlがちょうど30日分になるからです(1日2回・1回1ml)。
4位:リアップジェット【大正製薬】
【筆者コメント】
第4位には「ミノキシジル1%」配合の発毛剤がランクイン。
当然、濃度が「1%」より「5%」の方が効果は高いですが、その分副作用のリスクも高まりますので、1%の濃度で効果が出るのであればそれに越したことはありません。また、費用も「5%」より安く設定されておりますので、まずは気軽に試してみたいという方におすすめです。
5位:薬用アデノゲンEX【資生堂】
6位:アデノゲン薬用スカルプトニック【資生堂】
【筆者コメント】
第5位・第6位には「アデノシン」配合の育毛剤がランクインしました。
このアデノシンは、日本皮膚科学会でも「B判定(行うよう勧める)」の評価を得ており、ミノキシジルに次ぐ有効成分だと言われております。臨床試験では、ミノキシジル5%配合のローションと、アデノシン0.75%配合のローションに大きな有意差はなく、同等の「有用性」があると示唆されたほど。しかし、このアデノシンが何パーセント配合されているのかを資生堂は明らかにしておらず、そこが一つの懸念点だと言えるでしょう。
7位:カロヤン プログレEX【第一三共ヘルスケア】
【筆者コメント】
第7位には「カルプロニウム塩化物2%」配合の育毛剤がランクインしました。
このカルプロニウム塩化物は、日本皮膚科学会で「C1判定(行なっても良い)」の評価を得ている成分で、「センブリエキス」や「トウガラシエキス」などとは違い「公に認められている有効成分」となります。また「カロヤン プログレEX」は医薬部外品ではなく「第3類医薬品」に分類されるため、治療薬としての扱いになります。価格も「アデノゲンEX」に比べて安価となっておりますので、コストを抑えたい方にはおすすめです。
8位:サクセス バイタルチャージ 薬用育毛剤【花王】
9位:サクセス 薬用育毛トニック【花王】
【筆者コメント】
第8位・第9位には「t-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)」配合の育毛剤がランクイン。
このt-フラバノンは、花王が独自開発した育毛成分で、日本皮膚科学会でも「C1判定(行なっても良い)」の評価を得ている有効成分です。日本皮膚科学会「お墨付き」の成分を利用している育毛剤・発毛剤の中では圧倒的に安く、「コスパNo.1の育毛剤」だと言えるでしょう。
10位:薬用毛髪力 イノベート【ライオン】
【筆者コメント】
第10位には「サイトプリンおよびペンタデカン」配合の育毛剤がランクイン。
サイトプリン(6-ベンジルアミノプリン)およびペンタデカン(ペンタデカン酸グリセリド)は、日本皮膚科学会でも「C1判定(行なっても良い)」の評価を得ている有効成分ですが、ライオン株式会社は既に本商品の製造を終了しています。