今回のテーマは、自毛植毛の施術方法についてです。
植毛には、自分の髪の毛を利用する「自毛植毛」と、人工の髪の毛を利用する「人工毛植毛」があることは下記のコラムで解説しました。
髪の毛を「生やす」のではなく頭皮に「植える」植毛。 この植毛には大きく2種類あり、人工毛植毛と自毛植毛に分かれます。 人工毛植毛(じんこうもう しょくもう)とは、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維で作った人工の髪の毛を頭皮に植え込む増毛法のことで、自毛植毛(じもう しょくもう)は自分の髪の毛を...
人工毛植毛は「感染症」や「副作用」のリスクがあることから、近年では「自毛植毛」が主流となっているのですが、実はこの自毛植毛には施術方法が2通り存在します。
それが、メスを使うFUT法と、メスを使わないFUE法です。
FUT法(FUSS法)
FUT法とは、Follicular Unit Transplantation の略称で、直訳すると毛包単位移植となります。
クリニックによってはFUSS法(Follicular Unit Strip Surgery)と表記しているところもあります。
上記画像のように、メスを利用して縦2㎝・横10㎝程度の皮膚を切り取り、限りなく毛根を傷つけないでドナー(移植する髪の毛)を採取する方法です。
従来の自毛植毛といえばこの「FUT法」が主流だったのですが、頭皮を切り取るため線状の長い傷跡が残り、また術後の痛みも激しいことから、AGA患者の精神的ストレスは大きなものがありました。
画像出典:https://tokyo-memorial.clinic/
FUE法
一方、FUE法とは、Follicular Unit Extration の略称で、直訳すると毛包単位抽出となります。
「パンチ」と呼ばれる筒状の細い針で頭皮に小さな穴をあけ、ドナーとなる毛根を1つ1つ採取する方法です。
FUT法とは違いメスを使わないので、傷跡が目立ちにくく痛みも少ないのが特徴となっております。
現在では多くのクリニックでこの「FUE法」が採用されておりますが、FUT法に比べかなり手間がかかってしまうこと、そして医師の高い技術力を必要とすることから、施術費用も高額に設定されております。
画像出典:https://tokyo-memorial.clinic/
ARTUS植毛
これまでに「自毛植毛」の施術方法を2通り紹介しましたが、実は上記以外にもうひとつおすすめの施術方法があります。
それがARTUS(アルタス)植毛です。
ARTUS植毛とは、FUE法をベースとした施術方法で、最先端の植毛ロボットを利用してドナーを採取します。
通常のFUE法は、医師が1つ1つ手作業でドナーを採取するため、拘束時間が長く、また医師の技術力によって仕上がりにムラが出る可能性がありました。
しかしこのARTUS植毛は、ロボットに搭載されているCCDカメラを利用して、毛髪の「密度」や「本数」「角度」「向き」を瞬時に計算し、ドナー採取をムラなく実行することができます。
ドナーの植え付けに関しては医師が行ないますが、比較的「拘束時間」は短く、医師の技術力に左右されることもないため、FUE法の短所を補った施術方法だと言えます。
※ただし、高い技術力を持つ医師には敵いません。
施術方法を徹底比較
ここからは、それぞれの施術方法を更に細かく比較したいと思います。
わかりやすいよう表にまとめましたので、是非ご参考ください。
FUT法 | FUE法 | ARTUS植毛 | |
施術者 | 医師 | 医師 | 植毛ロボット+医師 |
採取方法 | メスで後頭部の一部を切り取る | パンチで1つ1つ毛根をくり抜く | パンチで1つ1つ毛根をくり抜く |
傷跡 | 後頭部に切開の傷跡が残る | 切開しないため傷跡は小さい | 切開しないため傷跡は小さい |
抜糸 | 縫合するため抜糸が必要 | 縫合しないため抜糸は不要 | 縫合しないため抜糸は不要 |
施術時間 | 短い | 長い | FUE法より短い |
術後のダウンタイム | 7~10日 | 2~3日 | 2~3日 |
術後の痛み | 強い | 小さい | 小さい |
株の生着率 | 高い | 医師の技術力に左右される | FUE法より安定 |
費用 | FUE法より安い | 高い | FUE法より安い |
※ダウンタイムとは、肌の状態が日常生活に支障をきたさない状態へと戻るまでの期間のこと
まとめ
以上が「FUT法」と「FUE法」の違いになります。
FUT法の特徴を簡単にまとめると、
安くて生着率は良いが、傷跡が残り痛みも激しい
と言うことができ、一方FUE法は、
高くて医師の技術力に左右されるが、傷跡は小さく痛みも少ない
と言うことができます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため一概には言えませんが、やはり「大きな傷跡」を残さないFUE法の方が総合評価は高いと、当サイトでは結論付けたいと思います。
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