新型コロナウイルスの感染者数が欧米並みとなった、ここ日本。
1日に1,000人以上の陽性者数が出ることもあり、もはや誰が感染してもおかしくない状況となりました。
パンデミック当初は、まだ事例が少なかったので「後遺症」についてはあまり語られていなかったのですが、最近ではとある後遺症の報告が後を絶ちません。
それが、コロナ感染による「抜け毛」です。
コロナに感染した多くの方が、後遺症として「脱毛症状」を訴えており、その中でも特に女性の報告が目立っております。
また、日本の国立国際医療研究センターが「退院後のコロナ患者」に行なった調査でも、4人に1人の割合で抜け毛の症状が見られたとのこと。
このように「コロナ」と「抜け毛」には密接な関係があると考えることが出来ます。
では何故、コロナに感染したら髪の毛が抜けてしまうのでしょうか。
これはまだ研究段階であり、はっきりとした解明はなされておりませんが、いくつかの仮説が立てられております。
新型コロナウイルスに対する「抗体」の影響
新型コロナウイルスに感染すると、人は身体の中に「抗体」を作ります。
その抗体が、ウイルスを撃破してくれるのですが、抗体の中には髪の毛を作る毛母細胞(毛根)にまで攻撃してしまうものがおり、それが原因で抜け毛が発生すると考えられております。
この現象は、新型コロナウイルスだけに限らず、インフルエンザや肺炎など身体に大きな負担がかかったときに起こりやすく、産後脱毛にも近い症状です。
そのため、脱毛は一時的なものだと考えられ、半年程度で自然治癒すると言われております。
血液の「悪循環」による影響
新型コロナウイルスに感染すると、ウイルスが血管を攻撃することで「血流」が悪くなり、その影響で抜け毛が発生するとも考えられております。
髪の毛は、血液が運ぶ「栄養素」によって生成されているのですが、血流が悪くなってしまうとこの栄養素が毛根に行き渡らず、髪の毛がやせ細ってしまうのです。
いわゆる髪の毛の栄養不足状態。
これらの要因はあくまでも「仮説」ではありますが、どちらも一時的な休止期脱毛のため、まずは自然治癒で様子を見ることが大切です。
なぜ女性に多いのか?
新型コロナウイルスの後遺症に「脱毛症状」が見られる理由は上記で説明した通りですが、なぜ女性に多いと言われているのでしょうか。
それは、毛根に悪さをする抗体が、女性ホルモンによって活性化してしまうからだと考えられております。
そのため、男性以上に毛根(毛母細胞)がダメージを受けてしまい、結果的に抜け毛が増えてしまうというのが一つ目の説です。
もう一つは、髪の毛の長い女性の方が抜け毛に気付きやすいからという理由もあります。
抜け毛の本数的には男性と同じくらいでも、女性は髪の毛が長いため量が何倍にも見えてしまい、こういったことも「女性に多い」と言われる一つの要因だと考えられます。
なぜ若者に多いのか?
実はこの脱毛症は、症状が軽い「若者」にも多く見られ、その理由はやはり「抗体」が原因だと言われております。
免疫力の高い若者の抗体は「コロナウイルス」を撃破したあと、戦う相手がいなくなったことで「毛根」や「頭皮」を攻撃対象としてしまうのです。
こちらも「一つの仮説」ではありますが、身体の中で作り出す「抗体」が抜け毛に関係している可能性は高いと言えるでしょう。
もちろん、ホルモンバランスの乱れや精神的なストレス、感染による体重の減少など様々な要因が考えられますが、後遺症の抜け毛は一時的なものなので過度に心配する必要はありません。
まずは半年間ほど様子を見て、それでも改善しない場合は何か別の原因が考えられますので、病院やクリニックで受診することをおすすめします。
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