気が付けば「肩」に粉雪のように散っている白いフケ。
フケは頭皮トラブルの中でも代表的なもので、老若男女問わず誰にでも発生しうるものです。
通常は小さくて目立たない程度のため、気付かない内にシャンプーで洗い流しておりますが、何らかのトラブルで頭皮環境が悪化してしまうと、目に見える大きなフケが大量に発生してしまいます。
そういった症状のことを「フケ症」と言い、多くの方が悩みを抱えている症状です。
そもそもフケとは一体何なのでしょうか。
いつどういった時に発生するのでしょうか。
今回は、フケが出る原因とその対策について解説してまいります。
フケの正体は古くなった頭皮の角質
人々を悩ませる「フケ」ですが、その正体は古くなった頭皮の角質が剥がれ落ちたものです。
頭皮は日常的にターンオーバー(新陳代謝)を繰り返しており、古くなった頭皮の角質は「垢(アカ)」のように老廃物として自然に剥がれ落ちます。
それが「フケの正体」なのですが、実はフケには2種類あり、まずは自分がどちらのタイプなのかを見極める必要があります。
乾性フケ(かんせいふけ)
まず、一般的なフケとして多くの方に認識されているのがこの「乾性フケ」です。
乾性フケとは、乾燥した頭皮に生じやすいフケで、白くカサカサとした特徴があります。
いつの間にか肩に散らばっていたり、頭を振ることでパラパラと落ちてくるようなフケは、この乾性型だと言えるでしょう。
乾性フケは、頭皮の乾燥が主な原因です。
頭皮が乾燥すると新陳代謝が乱れてしまい、正常に頭皮のターンオーバー(生まれ変わり)が出来なくなってしまいます。
この乱れによって発生してしまうのが「乾性フケ」で、空気が乾燥しやすい秋~冬の時期に多く見られたり、頭皮の洗いすぎによって症状が悪化したりします。
よく、フケを改善するために1日に2回以上シャンプーをする方がおりますが、これは頭皮に必要な皮脂まで洗い流すことになり、かえって逆効果。
また、洗浄力の強いシャンプーも同様に、皮脂をごっそり洗い流してしまうので「頭皮の乾燥」を招いてしまいます。
頭皮はお肌と一緒で、ある程度の潤いが必要です。
適量の皮脂は頭皮を守るバリアとなり、外部の刺激からも守ってくれる存在となりますので、頭皮の乾燥には十分に気を付けましょう。
今すぐできる対策としては、
✔ フケ予防効果のある薬用シャンプーに変える
✔ シャンプーは1日に1回、乾燥がひどい方は1日おきにする
✔ ビタミンAやビタミンBを意識して摂取する
ことです。
フケ予防の薬用シャンプーはドラッグストアでも販売しておりますので、まずはそちらをお試しください。
もし、1日に2回シャンプーをしている方がいらっしゃいましたら、シャンプーは1日1回夜だけにしましょう。
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また、ビタミンAやビタミンBには、頭皮をターンオーバーさせて皮膚の健康を維持する働きがありますので、このような栄養素をしっかり意識して摂取することが大切です。
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脂性フケ(しせいふけ)
一方、もう1種類のフケとして「脂性(しせい)フケ」と呼ばれるタイプのフケがあります。
この脂性フケとは、皮脂の過剰分泌が主な原因で発生すると言われており、ベタベタと湿っているのが特徴です。
色も若干黄色がかっており、頭皮にへばりついたり、塊となって落ちてきたりします。
乾性フケと比べるとこのようなイメージ。
画像出典:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/
この脂性フケは、湿度の高い梅雨~夏の時期に多く見られ、皮脂の分泌が盛んな人に出やすい傾向があります。
皮膚疾患の「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」の先行型または軽症とも考えらているため、症状がひどい方は病院で診てもらった方が良いでしょう。
乾性フケでは「頭皮が乾燥していること」が主な原因でしたが、脂性フケは「頭皮の皮脂が多すぎること」が主な原因だとされています。
頭皮には、皮脂を栄養とする「マラセチア菌」という常在菌が誰にでもいるのですが、皮脂が過剰分泌してしまうとその分マラセチア菌も必要以上に繁殖してしまい、地肌を刺激する要因となってしまいます。
そうすると、乾性フケと同様に頭皮のターンオーバーが乱れてしまい、大量のフケが発生してしまうことになるのです。
ちなみに、頭皮の皮脂が通常より多くなってしまう理由には、皮脂の過剰分泌以外にも「シャンプーのすすぎ残し」や「洗髪不足」も考えられます。
シャンプーが綺麗に洗い流せていないと菌が増殖してしまいますので、1日1回丁寧に洗髪を心掛けましょう。
乾性フケと脂性フケの比較表
ここでは「乾性フケ」と「脂性フケ」の違いを、分かりやすく表にまとめてみました。
判断の参考にして頂けますと幸いです。
フケの種類 | 乾性フケ | 脂性フケ |
特徴 | 白くてカサカサ | 黄色くてベタベタ |
パラパラと落ちる | 頭皮に貼りつく・塊となって落ちる | |
季節 | 空気が乾燥する秋から冬の時期 | 湿度の高い梅雨から夏の時期 |
主な原因 | 頭皮の乾燥(乾燥肌の人に多い) | 皮脂の過剰分泌(汗かきの人に多い) |
シャンプーのしすぎ | 洗髪不足 | |
洗浄力の強いシャンプーの使用 | 洗浄力の弱いシャンプーの使用 | |
その他の原因 | ストレス・栄養不足・睡眠不足・運動不足・紫外線・ホルモンバランスの乱れなど |
おわりに
今回は、頭皮トラブルの中でも代表的な「フケ」について解説してまいりました。
フケには「不潔」というイメージがありますが、これまで説明したように例え「毎日」綺麗に洗髪していても、体質や生活習慣・季節によって出てしまうものです。
ただし、フケ予防のシャンプーを利用したり、ビタミンを意識して摂取したりなど、生活習慣を正すことで改善できる症状でもありますので、まずはそちらを試してみると良いでしょう。
それでも一向に改善しない場合は、他に原因がある恐れがありますので、一度病院(皮膚科)で診察してもらうことをおすすめします。
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