AGA治療薬による初期脱毛って何?初期脱毛から生えるまでの期間

AGA(薄毛)治療を始めると、「初期脱毛」という大きな壁にぶつかります。
初期脱毛とは名前の通り、AGA治療をはじめた初期段階に見られる抜け毛のことで、通常より2倍以上の髪の毛が抜け落ちてしまいます。
一般的に、一日50本~100本の抜け毛は日常的に抜けるものなのですが、この初期脱毛では200本~300本は抜け落ちると言われており、この抜け毛の量に恐怖を感じてしまう方も少なくありません。
しかし、この抜け毛は「副作用」でも何でもなく、順調に治療が進んでいる証拠です。
AGA治療に励む多くの方が経験する「症状」ですので、心配する必要は全くありません。
とは言っても、髪の毛を生やすために治療を始めたのに「抜け毛」が増えてしまっては誰もが不安になるはず。
そこで今回は、その不安を解消するために「どの治療薬で初期脱毛が起こるのか」「なぜ初期脱毛が起こるのか」「初期脱毛から生えるまでの期間はどれくらいなのか」について解説してまいります。

AGAの主な治療薬

AGAは、飲み薬や塗り薬といった「投薬治療」で改善することができ、その代表的な成分に「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の3つがあります。
簡単に説明しますと、抜け毛を抑制する効果があるのが「フィナステリド」と「デュタステリド」、育毛を促進させる効果があるのが「ミノキシジル」で、AGA治療はこれらの一方、もしくは両方で治療を進めていくのが基本とされています。

フィナステリド(内服薬)

フィナステリドは、抜け毛を抑制する効果のある成分で、日本皮膚学会が発表した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」においてA判定(強く勧める)の評価を受けた治療薬です。そしてこのフィナステリドを製品化したのが「プロペシア」という商品で、世界初の「飲む薄毛治療薬」となります。

デュタステリド(内服薬)

デュタステリドも同様に、抜け毛を抑制する効果のある成分で、前述のガイドラインにおいてA判定(強く勧める)の評価を受けた治療薬です。フィナステリドよりも効力が強く、このデュタステリドを製品化したのが「ザガーロ」という商品になります。

ミノキシジル(外用薬)

上記2つの治療薬とは異なり、育毛を促進させる効果があるのが「ミノキシジル」という成分です。このミノキシジルの外用薬も、前述のガイドラインにおいてもA判定(強く勧める)の評価を受けており、上記の内服薬とこの外用薬を併用して治療に励むことが、最も有効な薄毛治療とされています。

初期脱毛が起こりやすいのはミノキシジル

ここで本題に戻りますが、これらの治療薬の中で初期脱毛が起こりやすいと言われているのが「ミノキシジル」になります。
前述のガイドラインにおいて、ミノキシジルにはこのような注意書きがなされております。

男女ともにミノキシジル外用初期に休止期脱毛がみられることがあり、これが外用中止につながる恐れがあるため、患者への説明が必要である。

引用:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

こちらはガイドラインの一部を抜粋したものですが、記載内容を要約すると下記のようになります。

ミノキシジルの外用薬は男女ともに発毛効果が高いですが、治療を始めて間もなく「初期脱毛」の症状が見られ、これが不安となりミノキシジルの使用をやめてしまう恐れがあります。そのため、ミノキシジル外用を処方するときは、患者への詳しい説明が必要です。

ちなみにこのガイドラインの注意書きは、「フィナステリド」と「デュタステリド」には記載されておりません。
よく「プロペシア(フィナステリド)」を飲むと初期脱毛が起こるという話を耳にしますが、これは「プロペシア」が原因というよりも、併用している「ミノキシジル」が原因だと考えられます。

何故ミノキシジルで初期脱毛が起こるのか

では何故、ミノキシジルで初期脱毛が起こるのでしょうか。
これにはまず、ミノキシジルの「役割」を理解する必要があります。
冒頭でもお伝えした通り、フィナステリドとデュタステリドは「抜け毛をストップさせる薬」、ミノキシジルは「新たな髪の毛を生やす薬」となり、それぞれ役割が異なります。
このミノキシジルは頭皮に直接塗ることで、髪の毛を生み出す「毛母細胞」を刺激し、乱れていたヘアサイクルを正常に戻す力があります。
ヘアサイクルとは「成長期」「退行期」「休止期」という髪の毛の一定の周期のことで、成長期に発毛した髪の毛は、退行期・休止期を経て「脱毛」します。
普段、自然に抜け落ちる50本~100本の髪の毛は、この休止期状態の弱った髪の毛ということになるのです。

出典:https://customlife-media.jp/

そして、ミノキシジルは「休止期」となっている毛母細胞を刺激して、新しい髪の毛を生やそうとします。
新しい髪の毛を生やすためには、既存の「古い髪の毛」を一度リセットしなければなりません。
簡潔に述べると、新しい髪の毛を生やすために、邪魔な髪の毛を落とすということ。
これが、薄毛治療のはじめに見られる「初期脱毛」のメカニズムなのです。

初期脱毛から生えるまでの期間

上記では「初期脱毛はあって当たり前」だということをお伝えしましたが、中には「初期脱毛」があらわれない方も存在します。
この症状には個人差があり、「初期脱毛がないから薬が効いていない」という訳でもありません。
そのため、初期脱毛から生えるまでの期間はあくまでも参考程度にご覧いただけますと幸いです。
一般的に、初期脱毛が始まるタイミングは、ミノキシジルを使用して3週間~1ヶ月後だと言われており、その後3ヵ月目あたりまで続く傾向があります。
そして発毛効果が見られるのは、治療を開始して4ヶ月~6ヶ月目あたりだとイメージしてください。
もちろんこれには個人差があり、すべての人に該当することではありませんが、もし6ヵ月経っても「脱毛」が止まらない場合や、異常に抜け毛が多い場合は他の原因が考えられますので、一度使用を中断し「薄毛の専門医」に相談してみると良いでしょう。

まとめ

今回は「AGA治療薬による初期脱毛」について解説させていただきました。
初期脱毛で抜け落ちる髪の毛は、もうすぐ抜ける予定だった髪の毛のため、過度に不安を抱く必要はありません。
不安を抱くとそれが「ストレス」となり悪循環を招いてしまいますので、「初期脱毛は起こるもの」と割り切って治療に励むことをおすすめします。

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